獣の旅と音楽

旅の思い出、獣医としての生活、あと音楽とか

[[3]グランドサークル]グランドサークル〜初夜〜

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グランドキャニオンの雄大さに感動したところで、晩御飯の時間に。


この日はよし君の提案により
焚き火してじゃがいもをふかして食うことに!!

買い出しの時によし君のこの提案を聞いた瞬間、テンションゲージが振り切れるほど高まったのは無論である。





さすがに国立公園内でたき火はまずいので、車を飛ばして人気の少ないところへ…。
あたりは草っぱらだけ、電灯も無いようなところで道端に車を停める。



よし君はインドで2週間ほどバイク&ヒッチハイクで周っていたらしく、その時に毎日のように焚き火してたらしい。
ドライブ中も気がつくと燃えやすそうな木を探しているあたり、半分職業病である。





枯れ枝なら何でも良いって訳ではない。
程よく乾燥してて、中身もちゃんと詰まってるのが良いらしい。
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薪探してる時に見つけた。
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アリゾナの乾燥した気候はさすがで、その辺で野生のサボテンが花を咲かしております。









薪をトランクから運び出す。

本当なら大きめの石をかまどのように組みたいところやけど、この辺では見当たらなかったので穴を掘って薪を組む。
空気が通りやすく組み、着火剤代わりの紙(グランドキャニオンのガイドマップ…笑)から火をつける。
細い枝から燃え始め、徐々に炎が大きくなり、太い枝にも火がまわればしばらくは燃えてくれる。

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「もーえろよもえろーよー。ほのおよもーえーろーーーー。」
と歌いながら、アルミホイルに巻いたじゃがいもを投入。

じゃがいもに火が通るまではサンドイッチをほおばる。
食パン、ハム、レタスに、お好みでピザソースまたはガーリックマヨネーズで。
焚火の前で食べるごはんは、その辺のレストランより俄然おいしい。


街明かりも遠く、月がきれい
目が慣れれば月明かりで歩いて行けそう。
月の無い方向を見たらめっちゃ星空。


薪も大方炭になったころ、いもに火が通って、塩をかけてかぶりついた。
じゃがいもの匂いがちょっと強めで、シンプルな塩味が何ともうまい。
マヨネーズやピザソースをつけてみるとこれまたうまい。
あの味と、星空と、焚火のあったかさはきっと忘れまへん。



















もふもふいもを頬張ってると、車がたまに道を通る。
そのうち一台の車が停めてある僕らの車の近くまで寄って来て、すぐに行ってしまった。





あ、これは悪い予感がするなあ…笑
と思いつつもいもを食う。





少し経って、また車が一台、僕らの車の後ろまで来た。
今度は数分たってもそのまま。

そして今度の車は心なしか、ピカピカ光ってる…。



あ、やっぱりPOLICEて書いてある…笑




あくまでも平静を装いながら、よし君といもを食い続ける。

ポリさん出てきた。





ポ「お前ら何やってんだ?」

僕&よし君『……ディナー!』

ポ「あ〜ん………?」

張りつめたその場の空気を和らげようとするよし君。

よし君「(いもを差し出して)食べる?」

ポ「いらんわ(真顔)」



余計に張り詰める空気。


ポ「お前たちどっから来たの?」

『ジャパンです。』


ポ「ジャパンではこんな風に焚火をするのが普通なのか?」


『割とやります。(うそ)』


ポ「…っっ!!まったく…ここは一応ハイウェイなんだ。
やるならもっと道から離れて見えないところでやってくれ!
さっきからここを通る車が通報してくるんだよ!
とっとと水かけて火消してどっか行ってくれ!」


『オー!!アイムソーリー!!』




その後、何事も無かったかのように食事を続けてみたけど、
やっぱり火を消すまでポリさんは立ち去ってくれないようなので、残ったいもを急いで包み、火を消して退散。


まあぶっちゃけポリさんきっと来るんやろな〜とは思ってたけど、予想より怒られなくて良かった。(ほんとすんません)


おなかも膨れたところで、全くめげる様子もなく僕らは国立公園内へ車中泊に向かうのでした。


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つづく