獣の旅と音楽

旅の思い出、獣医としての生活、あと音楽とか

旅人の天敵!恐怖の南京虫!?治療・対策など、ダハブでの体験をまとめてみた!

痒い…!

 

時は2012年10月…

 

ダハブで日本人が集まる宿として多分もっとも有名な某宿。

ダハブに到着したその日、タクシーをシェアした人たちはそちらの宿へ行くというので僕も便乗した。

そしてドミに泊まって2日が経ったころ……



かゆい。




めっちゃかゆい。




どないなっとんねんってくらいかゆい!!!!




そして両手両足の福から出ている部分には赤い発疹が…





知ってる…



俺はすでにこれを知っている…




そう、モロッコのシャウエンで初めて出会ったあいつ…




俺にしては珍しく、存在そのものが罪と言い切れるほど憎んでいるあいつ…!!




夜も眠れないほど俺を苦しめるのはお前しかおらん!!!!





このクサレ南京虫がああああああああああああ!!!

 

南京虫とは?

トコジラミ(通称南京虫、英語での通商はBedBug)はバックパッカーの間で(多分)狂犬病の犬の次くらいに恐れられている虫!

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(イラスト;http://www.irasutoya.com/2015/05/blog-post_983.html


そのかゆみは強烈で、僕は夜中にかゆすぎて何度も目が覚めたり、日中も体中をかきながら、もう泣きそうになりながらシャウエン観光したほど。

こいつらは夜中、暗くなるとシーツとかの間から出てきて服から出ている手足などを歩きまわり、一か所でちゅーーっとやってくれりゃあいいのにご丁寧に5か所も10か所も血を吸っていく!
しかも蚊の何倍もかゆく、それが数日続き、噛まれたところが強く日に焼けると跡になって消えない…というまさに人類の敵になるために生まれてきたような種族なのです。

wikipediaによると、日本のある旅館に泊まったお坊さんが布団に潜んでいた南京虫に体中をかまれ、痒さのあまり葬式をキャンセル、宿に損害賠償を求め勝訴したという話も。

タチの悪いことに、こいつらは生命力もゴキブリ並に強く、なんと最長1年半以上も無吸血で生存したという調査報告もあり。

さらに、非常に平べったい体をしているので、ちょっとした隙間に入り込む。
そしてバックパッカーの寝袋やバックに入り込み町から町へと移動するだけでなく、卵をうみつけていく。
そのため一度持ち物すべてから南京虫を排除したと思っても、しばらくしてまた発生…ということも。

長い間、何回宿を変えても南京虫の被害から逃れられなかったパッカーの人が、ある日自分のパソコンから南京虫が出入りしているのを見つけた…なんてぞっとする話もある。

で、こいつら見つけたときに手でぷちっと潰そうと思ってもなかなかつぶれない。
そのため今では見つけ次第、最大限の憎悪をこめて踏みつぶすようにしてます。
人によってはナイフで突き刺す人もいるらしい。


この宿で一緒にドミに泊まってた坂本さんも南京虫にやられてた。
しかも、ある朝短パンの折り返したすそを元に戻してみると、南京虫がぽろぽろと…なんて恐怖体験もされていた。笑


正直ここの雰囲気は自分には合わないし、ドミは汚いし南京虫は出るしで、ダハブ到着三日目でもう一つの日本人宿にお引越し。


しかし痒みはおさまってくれない…。
シャウエンのときみたいに我慢するのはもう嫌!!と思い、この旅で初めて病院にかかることを決意。

なぜか入院

保険会社に電話したところ、ダハブに保険で全部カバーできる病院があるというのでお願いした。


エジプトらしからぬ綺麗な建物。


ドクターに事情を説明し、診断してもらう。

アレルギー反応を抑えるための薬を出してもらうことになったけど、なぜか「一晩入院して様子を見なければならない」と言われる…。
真相は不明やけど、少しでも保険会社から治療費をふんだくろうという病院の方針な気がする。

最低限の薬出して帰らせればいいところを、あれやこれやと付け加えてひと儲け…。

アナフィラキシーとか起こるならもっと早い段階で出るやろし…でも遅発性の可能性もなくはないのか?

使う薬へのアレルギーが出ないか確認したかったのか?

どっちにしろ英語でそこまでのコミュニケーションはできない。

まあ自分は一銭も払わんでいいから良いんですけどね…。

 


入院した部屋がこちら。エアコン、テレビ、ホットシャワー付きでwifiフリーといたれりつくせり!


トイレもきれい!


ドライヤーまで…!


アメニティも充実


冷蔵庫の中のものは全部飲んだ(貧乏性)


無駄に点滴

 


かゆいの以外は健康そのもの
しかし、頼みの綱のiphoneの電池が切れるとあまりにも暇すぎ…

しゃあなしでエジプトのテレビを見るが、ようわからん儀式の様子しかやってへん…





出してもらった薬は強力で、一発でかゆみは引いた!!素晴らしい!!


でもまたもや保険金対策か、こんなにいらんでってくらい薬を処方されたので、この後アフリカ南下予定の小渕夫妻に進呈しました。
お気をつけて~


さて、こちらの病院食ですが、「なんでこんな不味そうに盛り付けれるん…」てくらい悲しいクオリティ。



朝飯


昼飯


病院側としてはもう一泊させたいと思ってたみたいですが、こんなところもうおりたくない!とごねて帰りました。

でも人生初の入院生活も経験できて良かったかな。
保険入ってて良かった。
薬ももらって、ひとまず南京虫に必要以上に怯えることもなくなりました!

 

 

対策など

基本生き物には敬意を払う僕ですが、こいつらに対しては、愛するとか忘れるとか許すとか、そういったことはもうできない。
決して分かり合えない存在にまで昇華してしまった…。

駆除は個人レベルでは難しく、業者を呼ばないとダメ。
でも多額の費用がかかるうえに100%駆除できるとも限らんから、安宿やと放置してるところが多い。
「あそこの宿は南京虫が出る」って噂は日本人の間で広まりやすいし、それだけで宿を変える人もいるくらいやから宿としても気は抜けんと思うんやけども…。

近年では薬剤耐性を持つ南京虫が増えてきているらしく、数十年前にDDTなどでほぼ駆逐したはずの南京虫は先進国でも問題になりつつある。
アメリカなどでは小学校から「BedBugを子供が学校に持ち込まないよう、各家庭での対策にご協力ください」なんてプリントが配られるほどらしい。


以下、南京虫が出ると噂の場所(◎…実体験、○…確認した人から聞いた、△…ネット)

  • ダハブ 一番日本人が集まってた宿のドミ◎
  • ダハブ 某レストランのソファ◎
  • シャウエン 二つ並んでる有名な安宿のソファ◎
  • イスタンブール もう閉鎖した日本人宿のソファ○
  • エルサレム 日本人に有名な宿のドミ○
  • 南米 インディヘナとの乗合タクシー
  • イグアス 標識が目印のホステル△
  • エチオピア 公共バスの車内△


自分が調べた範囲での南京虫対策

  • 宿で部屋を下調べする際に、ベッドは湿っていないか、シーツはパリッとしているかも見る。湿っている場合、ちゃんと洗濯などしていないこともある。
  • シーツなどをめくり、茶色~赤黒い小さな染みがあると南京虫率高し(つぶれた跡や糞??)
  • 寝具だけでなく、共有スペースのソファなども要注意!
  • どうしても南京虫のいそうな部屋で泊まらなければならないときは、電気を消さずに寝る。(暗闇を好む=多分負の走光性がある)
  • 〃、半そで、短パンは避けて、肌の露出を少なくする。腹や腰も要注意。
  • もし持ち物に南京虫が付着しているのを見つけたら、全て処分するのが望ましい。
  • 処分できない場合は60~70度以上のお湯に1時間以上つける。
  • 噛まれたら、後が残りやすいので日焼けは避ける。
  • 海外旅行保険も有効





旅人の皆様!お気をつけて!!!




*この記事は自身が過去にアメブロで書いた記事をリライトしたものです。