獣の旅と音楽

旅の思い出、獣医としての生活、あと音楽とか

ヒマラヤ年越しトレッキング〜行く年 来る年〜

2012年、大晦日

カラパタールから宿へ戻るころには浅井さんも自分ももうボロボロ…。
頭痛で食欲はぜんぜんなかったけど、何となく年越しそば的なものをチョイス。
トマトヌードルスープとゆでたまご
まずい!しかもゆでたまご100円て!


食道で日本人の方に話しかけられ、具合が悪そうなのを見かねてアミノバイタルをくださった。
このとき以来、疲れた日は寝る前にアミノバイタルを飲むことも。


いつもなら誰かの家で楽しくしゃべりながらの年越し。
でもこのときは具合悪すぎて、自室でうろうろしたり、ベッドに横たわって苦しんだり…。
寝ると呼吸が浅くなって高山病が悪化するという噂が気になり、睡眠時間を削るために時間稼ぎをしてみたけど、どこまで意味があったのか今となってはよくわからん。
とりあえずジャム蔵いわく「吐いたらかなりやばい」ということだったけど吐き気はあまりしなかったので寝ることに。

高山病の薬の副作用か、夜中に何度か尿意で目が覚めた。
重い体を引きずってトイレへ…。
「人生最悪の年越しやな…」と脳内エンドレスリピート。

ジャム蔵には、明日は体調と相談しつつ、初日の出をカラパタールに見に行きたいと言っていた。
「朝早いけど大丈夫?」と聞くと
「No problem. It's my job.」
ジャム蔵△!!

2013年元旦。
4時半起床、頭痛は寝起きから最悪やけど服を着込んで用意をしてみる。
5時前にジャム蔵の部屋の前まで行くが、明かりはついてないし、人が動く気配もない。
「これはもう行くなってことかな…」と思い、部屋に戻って二度寝

6時半、起こしに来たジャム蔵と明るくなってきた外を見ると、なんと曇り…。
「行かんでよかったーーー!!!!」と心の中でガッツポーズして三度寝。

8時、ジャム蔵が朝ご飯やでーと起こしに来た。
窓の外を見ると、なんと快晴…!
しかもヌプツェの向こうからもうすぐ朝日が昇りそう…!


ひとまず食道へ降りていくが、体調悪すぎてミルクティーにほっこりしてるうちに初日の出の瞬間を見逃してしまう…。
気づいてすぐ外へ出て撮った一枚。


2、3枚撮るのでもうスタミナ切れ。いっぱいいっぱい。
カラパタールまで行ってればもっといい図で撮れたんかな〜…。


9時半、出発。
「世界一高いところから昇る初日の出を見る」という当初の目標はちゃんと達成できなかった。
でも頭痛すぎて未練は何も無かった笑
浅井さんも「今回のトレッキングが良い思い出に変わるには時間がかかりそうです…」
とすっかりやられていた。

出発前に宿の食堂でコンタクトを眼に入れていると、宿の少年がえらい顔でこっちを見ていた。
まるでテレビのすんごい痛そうな芸をする人を見るような目…笑
高度5000mに一泡吹かせてやった気分になった…笑

ロブチェパスを通るとき、道中何度か見かけたひょろっとした少年を見かけた。
たしか19歳のUKボーイ。
相変わらず調子はすごく良さそうだった。



カラパタールに別れをつげ、いつか再挑戦したいなーと思いつつ、下山を始める。




つづく