獣の旅と音楽

旅の思い出、獣医としての生活、あと音楽とか

[[14]イスラエル]エルサレム〜死海〜

エルサレムのイブラヒムじいさんちに宿を移した初日。


共有スペースに行くと
「え、ちょっ、何その荷物!?すくなっ!wwww」
と興奮しながら向井さんに絡んでくる欧米人が!


アメリカからの旅ガール、キーラちゃん?でした。


確かに向井さんは一応長期旅行者な割に荷物めっちゃ少ない(サブバッグサイズのリュック×1+トートバッグ×1)
「私荷物ほんと多くって〜〜!!」と興奮気味に話す彼女。

しかし、しばらく向井さんと話してる間、ずーーーっとウキウキしてるキーラちゃんを見れば
「ああもうこれは…笑」と誰もが察してしまう感じでした。

その夜。
オープンドミでごろごろしてるとキーラちゃんがやってきた。

「ねえ、何であなたそんなに荷物少ないの!?キュート!んもう最高!ほんと素敵よ!!!」

ひたすら「キュート!」を連発する彼女。
苦笑いな向井さん。

一緒に写真撮ったりして、9:1くらいの割合で攻めて帰って行ったキーラちゃん。
後に聞いた話ではこの後共有スペースにいた人たちに

「もう何なの彼!キュート!キュート!SO CUTEよ!!彼に比べたら欧米人だろうが何だろうがただのクソ!!!いやーんもうかっこいいーーーん♡♡♡

と思いのたけをぶちまけてすっきりしてたとかしてないとか。


そんなこんなで、連日向井さんはキーラちゃんの訪問を受け


僕は毎晩専属カメラマンとして活躍


キーラちゃんの押しの強いアプローチに向井さんも次第に心を開き…




そして、死海出発前夜。



僕「さっきあの子と何喋ってたんですか?」

向「いや、明日はどうするのかって聞かれて、もしかしたら他の日本人と一緒に死海行くかもっていう話に…」

僕「あの子一緒に行きたかったんとちゃいます?」

向「『死海はもう行ったのよね…』って言ってました。」

僕「あ〜それは残念…」

向「『でももう一回行ってもいいわね〜って言われました。」

僕「どうするんですかwwww」

向「僕は明日エルサレム旧市街に行ってたことにしといてください笑




翌日、キーラちゃんに見つからないうちに死海へ出発!!


物価の高いエルサレムの中でもさらに物価の高い死海周辺。
朝食と昼食は比較的安いパンで。


死海へは市電+バスで行くことに。


が、市電の切符の自動販売機が故障中やったりクレジットカードしか使えへんやつばっかりやったりイスラエル人がちゃんと列に並ばんかったりやったりで


買えまへーーーーーーーーん



安上がりな電車+バスは諦め、タクシーをチャーター。
往復で一人2千円くらい(やった気がする)。高い。
そのためタクシーの運転手たちも「ぼそっ(こいつら死海行きたいってよ…)」「(まじで!?)」と目の色変えてボろうとしてきた。

そんな中、善良?なドライバーを見つけて出発。
エルサレム旧市街から約1時間くらいのところにあるパブリックビーチ?に到着。


死海は海抜が非常に低い。行く時も気圧の変化のせいで、高い山に登ってる時みたいに耳がつーーーんってなった。


塩分濃度が海水の10倍と非っ常〜〜に高いので、「死海の安全な楽しみ方」の看板まである。


ビーチまで降りていきます。


岸辺は塩の結晶がいっぱい。
裸足やと足切ることもしばしば…痛そうで痛そうで想像すると…


お尻の穴がきゅーーーん!!!!ってなります。



さて、死海に来たらやっぱり
浮いて新聞読まんとね!!!
社会の資料集とかでよく載ってるあれですわ!!


死海の安全な楽しみ方」にならい、ゆっくりしゃがんで背中から寝ころぶようにすると…


浮いた―――――!!!!!!!!!


いやーほんまに浮かぶんです。
不思議な感覚で、言葉ではうまく言い表せれません。
沖の方に行くと足も着かない深さになるんですが、そこでは「垂直な状態」で浮くんです。
泳ぐにしても浮力が強すぎて、下半身が浮いてしまって平泳ぎができんかったりと、不思議というか不便というか…笑

ただやはりすごい塩分濃度なので、体へのダメージもそれなりにあるため長時間は入ってられません。
5分も入ってると、しみてくるんですよ…。


いや、どこがとは言いませんけどね…どこがとは…



とにかくしばらく入っていると…



肛門や尿道にしみてきて痛い!!!!!


あと足に傷とかあるとしみて痛いとは聞いてたけど、そっちはそうでもなかったなー。

いやーやっぱり局部が侵食されてくるあの感覚、何とも言えない高揚感恐怖感がありますね。

みんなこまめにシャワー浴びまくり。


死海の水はもうしょっぱいのはるかに通り越して苦い。
それくらいの塩分濃度。

そんなんが目や鼻に入ったらたまりません…。

死海に入るときは水に顔をつけるな!」と死海マニュアルの看板に書いてあったんですが、
ゴーグルしてたら大丈夫やろ〜と思ってクロールとかしてみたら、鼻に入った微量の水ですらけっこう辛い。
プールで飛び込み失敗して鼻に水入って苦しむあの感覚が、ほんのわずかの水で味わえます。

そんなんやから目に入ったときにはもう悲惨…
深みにはまって、頭の先までざぼーん!と死海につかってしまった男の子は
「……っあlskfd!あうskjd…うっ!はあういshふぉlしhっ…っ!」
と声にならない悲痛なうめき声をあげて泣きながら、お父さんにシャワーまで引きずられていってました…笑


「君の犠牲は無駄にはせんからね!」と胸に誓い、恒例の行き倒れ写真の撮影スタート!!


死海」だなんて、もうどうぞ行き倒れてください!!て言うてるようなもんじゃないですか!
と、意気揚々と撮り始めたんですが、なかなか絵にならない…。

翔さん・まいこさんが楽しげに死海リゾートを楽しむ中


向井さんと二人、作品活動に励む。



僕「ちがう…これじゃ行き倒れシリーズには加えられへん…」


『浮いてる浮いてる〜〜♪たーのしーい♪』



僕「ん〜…もう一声…」


『うふふふ』『あはははは』


僕「来てます来てます!もう少しで納得できそうなんです!!」


「(大変そやな…)」


納得できるカットが撮れたとこで、お次は死海泥パック』ターーーイム!!!

死海のビーチには泥が取れるところが点在し、その泥は顔や体に塗ると美容効果があるとのことで、お土産用にも売られてたりします。
よくエステとかでやってる泥パックとやってることは大体一緒らしい。
実際、泥を塗った後は肌が明らかにすべすべに。


適当なとこから泥をすくい集め、塗りたくる。


ここでもせっかくやから、泥塗ったところを向井さんに写真撮ってもらったんやけど


撮る方も撮られる方もだんだん楽しくなってきて


「(ピント合わせ)マニュアルでいきますよ?」と向井さんも本気を出し


僕も真剣な向井さんの眼差しに負けじと、ポーズや表情をいろいろ作ってモデル気分に


撮られるのって、キモチイイ!!!!


           \ あほか! /

(ありがとうございました)


とかとかいろいろ遊んでましたが、シャワー浴びて着替えたりしてトータル3時間もあればもうお腹いっぱい。
ヨルダンかイスラエルに来たら、一回は死海は行っといてもいいけど、2回目はもういいかな・・・って感じでした笑


そんなこんなで、一緒に国境越えに挑んだ翔さん・まいこさんともここでお別れ。


大体この4人でおりました。
(一緒に国境超えたはずのペルシャさんは精神的にはぐれてしまった。)

最後に記念撮影タイム@イブちゃんち


まいこさんが行く先々でコレクションしてるポーズ


続いて「0.5秒間隔の連射で行くんで、こまめにポーズ変えてみてください!」と向井さん。

心の準備も整わないうちにスタートし


とりあえずはしゃいで


みんな迷走してるうちに終わってしまいました笑


楽しいメンツやったし、もうちょっと一緒に旅できたら良かったのにな〜



とか思ってると



キーラちゃんが今夜も登場!!!!


キ「あら、楽しそうでいいわね!ねえ、(向井さんと)写真一緒に撮ってもらっていい?」

僕「はいはーい!!そうビッグ・スマイルプリーズ!もっと寄って寄ってーーー!!!」


キ「ところで今日はどこ行ってたの?長い間いなかったみただけど…」

向「…え、えっと、旧市街にね…





その後、キーラちゃんから「あの髪の長い彼はどこ?今日は一緒じゃないの?」と聞かれるたびに、
向井さんと話すときにはほころびまくってた彼女の顔がひどく無表情なことに色々と納得したり、

ちょっとフレンドリーな様子で連絡先を聞かれたかと思うと、
その後は「早く彼との写真送ってちょうだい」と事務的に催促されたりと、

そんな扱いを受けると、やっぱこう思っちゃいますよね…。



やっぱイケメンはうらやましいなーーー(渾身の棒読み)






つづく