獣の旅と音楽

旅の思い出、獣医としての生活、あと音楽とか

ヒマラヤ年越しトレッキング〜ヘリ〜


トレッキングを終えてルクラに無事帰還!


ここでジャム蔵ともお別れ。


初めてのトレッキング、初めてのガイド。
ジャム蔵さん当たりでしたね〜と浅井さんとしみじみ。
先日の震災での安否が気遣われる。
きっと大丈夫…!


ジャム蔵と別れを告げ、浅井さんは一足先にカトマンズへ。自分も帰りの飛行機を待つ。



…が、行きはよいよい帰りはこわい。


天候不良が続き、4日ほどルクラに閉じ込められる。
宿や手持ちの本は読み尽くし、iPhoneに入れてきた映画なども見尽くし、
小さい村なので写真も撮り尽くし
暇すぎてルクラのモモ屋をコンプリートしてお気に入りを見つけたりしてしまう始末。


毎朝霜が降りるころに目を覚まし



窓の外を見ては「今日もあかんか…」とがっくりしながら一応空港へ向かう。


やっぱり今日も前方視界は最悪。



荷物だけが悲しく置かれる空港内。



そしてオフィスで日付変更を手動で行う職員にいらいら…。


そんなこんなで数日が過ぎたころ、腹痛がひどかったので、チケットを取ったカトマンズの旅行代理店に電話し、
海外旅行保険を使ってヘリで飛ぶことに。


入ってて良かった…これで保険のもとは完全に取れてしまいました。
ポカラで話した人は、自分もそういう保険の使い方を考えたが、将来子供の学資保険とかかけるときに今回のことで保険金が上がったりしたら嫌だから我慢した、と言う方も…。
そこまで考えてなかったけど、実際どうなんかな。
ついこの間、生命保険に加入したけど、そのときはこの件に関して保険屋さんは何も言わず、正規の保険金で入れたが…。
保険屋のネットワークはすごくて、不正防止のために顧客情報を各社で共有してるとかしてないとか…。


山間地ではヘリは重要な物資輸送経路。便乗してカトマンズから運ばれて来た荷物たち。



とくに名残惜しくなることもないくらいせかされ、生まれて初めてヘリに搭乗。


飛行機とはまた違う眺め。



バリバリと音がうるさい。
窓から冷たい空気が入って来る。
席が小さい。
でも飛行機より「飛んでる!」感が強くてかなりワクワクドキドキ。


山をいくつも超えて


町超えて









カトマンズの空港に到着。


端っこのヘリポートへ。


無事着陸。


降りてすぐに救急車が来ていた。そのまま病院へかつぎこまれる。


腸炎ということで1日入院。
病院の設備はかなり奇麗で電化製品も入院室にそろっていたが、いかんせん一日の半分以上停電してるカトマンズなので暇過ぎ。
ごねてすぐに退院させてもらった。


これにてヒマラヤトレッキングは終了!
すんごい良い経験になりました。
本当にかじった程度やけど、アウトドア属性が自分に追加された気分。
死ぬまでにもう一回行きたいなー!!



ヒマラヤ編・おわり

ヒマラヤ年越しトレッキング〜ルクラ〜




ルクラに帰って来ました。


あとは帰りの飛行機に乗り込むだけ!
のはずが、悪天候のせいで飛行機が全く来ない。

滑走路で昼寝する人まで出て来る始末。



そんな訳で、数日間、飛行機を待ちながらのルクラ缶詰生活がスタート…。


手始めに宿を探検…
屋根裏部屋。


ラクタとか


お茶っ葉?とか


木の実とか


なんか色々



道中で拾った木の実を撮ってみたり…






形が宇宙人みたいでかわいい。かも。



続いて暇つぶしにカフェへ。


外国人向けのとは奇麗。


でも暖房あんまり効いてないから日当りの良い窓際席がベスト。


ここのケーキは普通においしかった。高め。






あとはもうすることがなさ過ぎて、ルクラの全ての店でモモ(ネパール風餃子)を食べてみたり。


だいたい一皿100円くらい。それでもカトマンズの倍くらいの値段してる。


朝一で行ったらその場で作ってくれることも。




できたて。


お店によってスパイしーだったりマイルドだったり。お気に入りの店を探す。








まあとにかく暇でした。





つづく

ヒマラヤ年越しトレッキング〜下山④〜


標高も2000m代にまで来ると、人の数も多い。


緑の畑に赤い服のおばちゃんが映える。


学校帰りの子供。


じーーーっとこっちを見ている。


写真撮っていい?と聞くと、こくんと頷く。
撮らしてもらって、ありがとうと言うと、ダッシュで逃げてった。
お年頃。



しばらく歩いていると、どこからか「ハローハロー♪」と聞こえた。
振り返ると軒先に子供たち。



旅行者慣れしてるのか、めっちゃ笑ってくる。






いや〜可愛い。






写真を撮ってたらお菓子をおねだりされ、一個だけキャンディをあげてしまう…。
こういう僻地の子は旅行者からもらうお菓子で虫歯になってしまうこともある。
でも日本のように気軽に歯医者にも行けないので後々困ることになるときも…と後で知り後悔。


そんなこんなで出発地点のルクラに無事帰還!!


標高も低く、日中は暖かい。


ぶらぶらしてると、良い顔つきの子がガン見してくる。


写真撮っていい?と聞くと、こくんと頷く。


でもお菓子はなしで。
ごめんね〜。




つづく

ヒマラヤ年越しトレッキング〜下山③〜





どんどん下ってナムチェまで戻ってきた。

ジャム蔵の友人が経営する宿に宿泊。
前評判通り、ご飯がおいしい。


ダルは最後まで好きになれなかったけど、ここはご飯も炊きたてでふっくら、ヤクの肉も味が染みてておいしい。
牛肉のしぐれ煮みたいな味。付け合わせもいい!

ばあちゃんちみたいな台所。






他に泊まっていたのはドイツ人のじいちゃん。
長髪とひげがかっこいい。
最近仕事をリタイアしてやって来たらしい。

エベレスト街道で出会う人は旅人よりも山好き・リタイア組が圧倒的に多い。
でも最近ではトレッキングが初めての素人パッカーが軽装でチャレンジして問題になることも多いようで、
ガイドを雇うことをすすめたり、GPS付きの発信器をレンタルする取り組みも始まってるそうな…。


ナムチェを出てさらに下る。








もうすっかり村。






猫もいる。


気づいた!



もうトレッキングも終了間近。




つづく

ヒマラヤ年越しトレッキング〜下山②〜




7時。朝ご飯を済ませてペリチェを出発。
もう体調もすっかり良くなったので、快調に進む。

ヤクの群れとすれ違い




下って下って



ティンボチェへ到着!
お腹の調子も良かったので、お昼はコスパが一番いいボイルド・ポテト。
冷めてたけど、塩・バター・ケチャップ(持参)といった洋風な味付けが嬉しかった。


道中で拾った骨…どこの骨やろか…。








大学での解剖の授業を思い出したり、日本では同級生は国家試験の勉強頑張ってるんやろなーと思ったり…。
(約1年後、自分もちゃんと受かりました。よかった…笑)


昼ご飯を食べながら、ジャム蔵に帰りの飛行機のチケットで日程を早めたいから、ルクラのオフィスに電話で問い合わせてもらうよう頼んだ。
「じゃあ明日で電話するよ」とジャム蔵は言う。
日程変更は空席がある場合のみ可能なので、早めにしたほうがいいのではと思い、
ジャム蔵に「なんで今日電話せんの?」と聞くと、あからさまに不機嫌な顔に…。

説明はよくわからんかったけど、なんでも前日に電話しないとオフィスが勘違いするそうな。
どんだけ仕事できひんねん…といらっとしたが、後日ルクラで納得した。
登場者の確認とか仕事の大部分を手作業でやってて、非常にややこしそうやった。
パソコンは高価やし、電気も貴重やから仕方ないと言えば仕方ないけど、
仕事の効率化とか時間短縮とか、そういう概念が無いのかなと思った。

日程変更は前回は前日でも大丈夫やったと浅井さんに教えてもらったので、ひとまずそうすることに。


下痢でダウンしたとき休ませてもらった宿。
なんか懐かしい。


下痢の原因になったかもしれないツナパスタを食べた店。許さん笑


家はだいたい土壁。


トレッカー用トイレ。



午後になってもどんどん下ります。


森が幾何学模様っぽく見えたりするのが楽しくて、何枚か撮ってみる。








なかなか難しい。

アマダブラムはやっぱり奇麗。




見覚えのある看板!
ナムチェまであと1時間!


茶屋でミルクティーを飲んで休憩。


拾った木の実が宇宙人みたいで可愛い。


ちなみにここのトイレは砂をかけるタイプ。


やっぱり余裕があるトレッキングは非常に楽しい。





つづく

ヒマラヤ年越しトレッキング〜下山①〜





ゴラクシュプを出て約2時間でロブチェに到着。
早めの昼飯を食べてすぐ出発。




トゥクラ峠の茶屋で、クリスマスにいたサンタとその相棒を見かけた。
他にも、高山病で一度引き返して、再度登って来た日本人女性トレッカーや、見慣れた顔の外国人もいた。
同じような時期にスタートして、同じようなペースで登っていたわけなので、見覚えのある人も増える。
なんか、映画のエンドロールみたいやな、と思った。



登りよりもかなり良いペースでぐんぐん下る。


高山病の一番の治療は高度を下げることだと言うけど、本当その通りでどんどん調子が良くなって来た。
大体4000mあたりのペリチェに着くころには写真もばんばん撮る余裕が出て来た。
お腹の具合も良い感じ!
「見てて調子上がってきたなーって思ってましたよ!」と言う浅井さんもかなり回復してそう。


日の光も気持ちいい。



15時、宿に到着。
もうあとは下るだけやし!ということで、お湯でヒガシマルのうどんスープを。
温泉以上に染み渡った。

18時、晩ご飯にベジ・フライドライス。
やっぱりこっちの米はチャーハンに良い。うまい。
食堂に飾られている(多分)全世界の国旗のうち「SAOTOME Principle」と書かれているものがあった。
浅井さんによると「サントメ」と読むらしい。
正式な書き方はOの上ににょろっとしたのが付いたやつで、おそらく旧ポルトガル領の国だったはず、と教えてもらった。
へ〜。

19時ごろから日記をつける。
体調に余裕が出たこともあり、今回のトレッキンググッズの評価をしてみた。

<持って来て良かったもの、あったら良かったなと思ったもの>
Nalgen(水筒&湯たんぽ)
ペットボトル(出来たら日本製の固めのもの)
しっかりしたジャケット上下(ゴアテックス製)
インナーダウン
スリッパ(宿で登山靴を脱いだときに)
三脚
カメラクリーナー(道中けっこうほこりっぽい)
ネックウォーマー(〃)
サングラス
帽子
ストック
予備のSDカード(クラス10)
インスタントみそ汁・スープやお茶漬けのもとなど
塩こしょう(飛行機の機内食などで付いて来るやつ)
iPhone(映画などを入れて、アラーム、音楽も)
洗顔ペーパー(2週間くらいシャワー浴びれない)
ひまつぶしアイテム
ヘッドライト
飴(ハイチュウ系ではなく、ゆっくり溶けるもの)
行動食(クッキーなど)
アミノバイタル・粉ポカリ
下痢止め・整腸剤・頭痛薬
etc...

<別になくても良かったかな…というもの>
ゴアテックスの登山靴とグローブ(もっと安いのでもいけそうだった)
寝間着
日焼け止め
カメラの予備電池(結構高いので、充電するのと値段あまり変わらん)
折りたたみの傘
スイムタオル
必要以上のお菓子(重い)
etc...


人生初トレッキングで結構経験値稼げたかな。
いつか日本アルプスにもチャレンジしてみたいな、と思った。



つづく

ヒマラヤ年越しトレッキング〜行く年 来る年〜

2012年、大晦日

カラパタールから宿へ戻るころには浅井さんも自分ももうボロボロ…。
頭痛で食欲はぜんぜんなかったけど、何となく年越しそば的なものをチョイス。
トマトヌードルスープとゆでたまご
まずい!しかもゆでたまご100円て!


食道で日本人の方に話しかけられ、具合が悪そうなのを見かねてアミノバイタルをくださった。
このとき以来、疲れた日は寝る前にアミノバイタルを飲むことも。


いつもなら誰かの家で楽しくしゃべりながらの年越し。
でもこのときは具合悪すぎて、自室でうろうろしたり、ベッドに横たわって苦しんだり…。
寝ると呼吸が浅くなって高山病が悪化するという噂が気になり、睡眠時間を削るために時間稼ぎをしてみたけど、どこまで意味があったのか今となってはよくわからん。
とりあえずジャム蔵いわく「吐いたらかなりやばい」ということだったけど吐き気はあまりしなかったので寝ることに。

高山病の薬の副作用か、夜中に何度か尿意で目が覚めた。
重い体を引きずってトイレへ…。
「人生最悪の年越しやな…」と脳内エンドレスリピート。

ジャム蔵には、明日は体調と相談しつつ、初日の出をカラパタールに見に行きたいと言っていた。
「朝早いけど大丈夫?」と聞くと
「No problem. It's my job.」
ジャム蔵△!!

2013年元旦。
4時半起床、頭痛は寝起きから最悪やけど服を着込んで用意をしてみる。
5時前にジャム蔵の部屋の前まで行くが、明かりはついてないし、人が動く気配もない。
「これはもう行くなってことかな…」と思い、部屋に戻って二度寝

6時半、起こしに来たジャム蔵と明るくなってきた外を見ると、なんと曇り…。
「行かんでよかったーーー!!!!」と心の中でガッツポーズして三度寝。

8時、ジャム蔵が朝ご飯やでーと起こしに来た。
窓の外を見ると、なんと快晴…!
しかもヌプツェの向こうからもうすぐ朝日が昇りそう…!


ひとまず食道へ降りていくが、体調悪すぎてミルクティーにほっこりしてるうちに初日の出の瞬間を見逃してしまう…。
気づいてすぐ外へ出て撮った一枚。


2、3枚撮るのでもうスタミナ切れ。いっぱいいっぱい。
カラパタールまで行ってればもっといい図で撮れたんかな〜…。


9時半、出発。
「世界一高いところから昇る初日の出を見る」という当初の目標はちゃんと達成できなかった。
でも頭痛すぎて未練は何も無かった笑
浅井さんも「今回のトレッキングが良い思い出に変わるには時間がかかりそうです…」
とすっかりやられていた。

出発前に宿の食堂でコンタクトを眼に入れていると、宿の少年がえらい顔でこっちを見ていた。
まるでテレビのすんごい痛そうな芸をする人を見るような目…笑
高度5000mに一泡吹かせてやった気分になった…笑

ロブチェパスを通るとき、道中何度か見かけたひょろっとした少年を見かけた。
たしか19歳のUKボーイ。
相変わらず調子はすごく良さそうだった。



カラパタールに別れをつげ、いつか再挑戦したいなーと思いつつ、下山を始める。




つづく